子供に携帯電話を持たせることですぐに連絡が取れて親としては安心な反面、心配な面もありますよね。
代表的なものはネットでのいじめですが、携帯を持たせることで起こる問題はそれだけではありません。
私は子供の携帯電話に関する講演会に参加しましたが、そこで実際にあったトラブルの事例を聞きました。
今回は実際に起こった事例を挙げながら、子供に携帯電話を持たせる際の注意点もご紹介します。
子供の携帯電話でのトラブルと実際にあった事例
ながらスマホ
歩きながらや、自転車に乗りながらスマホ操作するなどの「ながらスマホ」。
取り締まりも厳しくなりましたが、ちょっとした油断が取返しのつかないことなる事例も。
【実際にあった事例】
- スマホを操作しながら歩いていた女子高生が駅のホームから転落し、大けがを負った。
- 高校生が無灯火でスマホ操作しながら自転車を走行中に、仕事帰りの徒歩の女性と接触。相手に障害が残る怪我を負わせてしまい、5000万の賠償金を請求された。
ネットゲーム依存症
依存症になると回復するまでに時間がかかり、家庭の中だけでの治療は不可能となります。
専門医に相談したり、学校の先生やスクールカウンセラーなどと連携し、回復を目指すこととなります。
【実際にあった事例】
- ネットゲームに依存し生活が乱れ、睡眠障害に陥る。完治するまでに長い年月を費やすことに。
- 親が知らない間にゲームに課金し、請求が100万円近く来た。
不当請求・個人情報の搾取
親の携帯にもたまに来ますよね、迷惑メール。
大人なら無視して終わりますが、それを真に受けて親にも相談できずにクリックしてしまう子供もいます。
【実際にあった事例】
- 迷惑メールに返信、URLをクリックしてしまい、不当請求に遭った。
- 色々なアプリをダウンロードしたが、その中に個人情報を収集するアプリがあり、電話番号や写真などを搾取されてしまった。
- ネットにアップした写真から住所を突き止められ、ストーカー被害に遭った。
知らない人とのSNSでのやりとり
子供が使用するSNSで、一番多いのがラインでのやりとりです。
知らない人と気軽にやりとりできるため、警戒心が低くなりがちに。
【実際にあった事例】
SNSで仲良くなった人が、「家族旅行であなたの住んでいるところに行くことになったから会いたい」と連絡をしてきた。
相手は女子高生と聞いていた(連絡を受け取った方も女子高生)。
一応母親に一緒について来てもらい待ち合わせ場所に行くと、相手は中年男性だった。
いじめ
無視やライン外しなど、携帯の中だけなので親には分かりにくいのが特徴です。
【実際にあった事例】
1人の子に対し、グループ内の全員が一斉に一方的に悪口を送り、送られた子はその後すぐに自殺。
(夕ご飯を家族と一緒に食べ、その時は普段と変わらなかったそうです。その後自分の部屋に行った後でラインのやりとりが行われました。その子はその日のうちに自殺。短時間での出来事だったそうです。)
講演会では実際のラインでのやりとりを全て見ました。「死ぬ」という言葉を自分から言わせるようにじわじわと全員で追い詰め、かなり陰険でした。警察によると十分罪に問われるレベルだそう。
チャット
ラインなどに代表されるチャットですが、言葉の使い方に気を付けないと、自分の意図した意味とは違った伝わり方をしてしまうことも。
【実際にあった事例】
言葉足らずだったために意味を違って取られてしまい、相手に不愉快な思いをさせてしまうことに。
結果的にそれが無視やいじめにつながってしまった。
子供に携帯電話を持たせる際の注意点
子供に携帯を持たせる際は、ネット社会では自分の身は自分で守る必要があり、不用意に個人が特定できてしまう情報を乗せないようにすることを教える必要があります。
また友達との写真をアップするときでも、相手(友達)の身元が分からないように工夫するのもマナーです。
ネットで過激な悪口を書き込んでいる大人もよく見かけますが、書き込んでいる人は昼間は普通に会社勤めをするどこにでもいるような社会人が多いと聞きます。
実際に悪質な書き込みで逮捕された人が言うには、ストレス発散が主な理由だったそうです。
このように、誰でも簡単に加害者になってしまう危険が潜んでいるのがネットです。
子供に携帯を持たせるときには
・善悪の判断力
・誘惑に負けない自制力
・自分の行動に対する責任力
が子供自身に備わっていることが大切です。
おわりに
子供の携帯電話にまつわるトラブルをご紹介しました。
子供の行動範囲が広がると、親がいつも側で注意することができないため、子供の判断によるところが大きくなってきます。
ニュースなどをきっかけにネット使用の注意点などを親子で話し合ったり、親子の会話を増やしつつ子供を見守っていけると良いですね。
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