ノロウイルスによる嘔吐や糞便の処理をするとき、消毒したいのにそれが洗えないものだった場合が一番困りますよね。
そういった物を消毒したいときはどうすれば良いでしょうか?
ここでは主に布団・カーペット・ソファーを取り上げてご紹介します。
またノロウイルスに対するアルコール消毒は有効ではないとされていましたが、最近では様子が少し違うようです。
消毒液で物を傷めたくない場合のアルコール消毒の方法についてもご紹介します。
ノロウイルスの消毒手順:共通項目
布団・カーペット・ソファーなどに嘔吐物やふん便が付着してしまった場合は、先に汚物を取り除きます。
- 使い捨てのマスク・手袋・消毒液・拭き取りに使うペーパー(キッチンペーパーやトイレットペーパーなど)・二重にしたビニール袋を用意します。使い捨てのエプロンがあれば理想ですが、無い場合は服に付かないように注意してください。
- 必ず換気をしながら、嘔吐物や糞便をペーパーなどで取り除きます。
換気は処理中だけでなく、処理が終わった後もしばらくしておきましょう。
この手順は共通していますので、あとは消毒薬が使えるか使えないかが相違点になります。
ノロウイルスの消毒を布団にする場合
手順1 ノロウイルスの消毒手順:共通項目を参照
汚物の水分が多い場合は、あればペット用シーツ・紙おむつ・生理用ナプキンなどを使用すると布団の奥まで染み込むのを防げます。
使用したペーパーなどはビニール袋に入れ、上から消毒液をかけ、完全に密封して捨ててください。
手順2 揉み洗い・つけ置きをして洗濯
シーツなど洗えるものは消毒液を使用して揉み洗い・つけ置きをした後、洗濯機で洗います。
※必ず下洗いをしてから洗濯機に入れます。
手順4 次のうち、どちらかを行う
- 布団の汚れた箇所を消毒液で拭く。
※変色する可能性がありますので、心配な場合は使用しないでください。 - 布団をある程度きれいにしてから、マスク着用の上スチームアイロンをあてる。
85度以上で1分以上加熱すればノロウイルスは感染力を失います。布団の場合は1カ所あたり2分間あてて下さい。
手順5 布団を干す
最後に布団を干したら終わりです。
うちの場合、布団で吐いても大丈夫なようにおねしょシーツを頭の下に敷いて子供を寝かせていました。
おねしょシーツは下が防水シートになっているので、汚れても布団まで染みません。
おねしょシーツが無い場合は布団の上にレジャーシートや新聞紙などを敷いて、その上にシーツを敷けば布団が汚れるのを防げると思います。
布団の消毒にコインランドリーを使用しても大丈夫?
自宅で布団を洗おうと思ったら、お風呂場で洗うしかないのでなかなかの重労働。また布団乾燥機を使えば「高温で殺菌ができそう」とも思いますよね。
しかし保健所の規定で「感染の恐れがある品物はコインランドリーでの洗濯や乾燥はしてはいけません」と決められています。
コインランドリーは不特定多数の人が使用しますが、洗濯槽をその都度掃除しているわけではありません。
そういった注意書きがしてある店舗もありますので、マナーを守って利用しましょう。
ノロウイルスの消毒をカーペットにする場合
手順1 ノロウイルスの消毒手順:共通項目を参照
手順2 汚れをふき取りスチームアイロンをかける
水拭きなどで汚れた箇所をできる限りきれいにしてからスチームアイロンを使用します。
アイロン時もマスクを着用してください。
※カーペットに次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使用すると変色する可能性があります。
85度以上で1分以上加熱すればノロウイルスは感染力を失います。
カーペットの表面はすぐに高温になりますが、裏面が高温になるまでに時間がかかるので、1カ所あたり2分間あてて下さい。
下が床などで熱で傷む可能性がある場合は、新聞紙などを下に敷いてから行ってくださいね。
ノロウイルスの消毒をソファーにする場合
ソファーの場合は材質によって消毒方法が違います。
布製ソファーの場合はカーペットの消毒方法と同じで、スチームアイロンを使用します。
カーペットの項目を参考にして下さい。
ここでは革製ソファーの消毒方法をご紹介します。
(この場合の革製とは塩化ビニル樹脂のことを指し、本革ではありません。)
ソファーの消毒で使用するのは0.1%の消毒液です。
(濃度が濃いと漂白剤をそのまま使用しているのと同じ状況になってしまい、ソファーを傷める可能性があります。)
共通項目を参照の上、嘔吐物をある程度取り除きます。
次に0.1%の消毒液で消毒。そして水拭きをして終了です。
ソファーに消毒液を使用すると傷むんじゃないかと心配ですが、「頻繁に使用しない・濃度に気を付ける」ということであれば、ソファーメーカーが行った実験によれば数回程度では影響が出なかったそうです。
ノロウイルスに対するアルコール消毒について
長い間ノロウイルスにはアルコール消毒は有効ではないとされていたんですが、最近になって「アルコール消毒も有効だ」という説が出てきました。
これまでの基本的な消毒方法では「次亜塩素酸ナトリウム・熱湯・スチームアイロンの使用」が有効とされています。
現段階では、物によっては上記の3つの方法が使えない・物が傷む可能性がある場合につき、アルコール系消毒剤を使用することが提案されています。
アルコール消毒の手順
まず、十分な量のアルコール系消毒剤を消毒箇所にたらします。
マスク・手袋をしてペーパーなどでしっかりと拭き取ります。
拭き取り作業は3回繰り返します。このときペーパーはその都度交換し、同じものは使用しません。
使用したペーパーは二重にしたビニール袋に入れて完全に密封して捨てます。
このとき、アルコールがかかった状態で1~2分おいてから拭き取れば効果が上がります。
特にソファーの消毒では、ソファーは基本的にアルコールに強く設計されているため、次亜塩素酸ナトリウムを使用するより傷むリスクを軽減することができます。(ただし頻繁に使用しないこと)
また1メートルほどの高さから嘔吐した場合、2メートル四方にウイルスが飛散するというデータがあります。カーペットの場合はスチームアイロンで2メートル四方を消毒するのも辛いものがありますよね…。
その場合は、重点箇所だけスチームアイロンで消毒し、その他の場所はアルコール消毒するというのも一つの手だと思います。
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おわりに
手軽に洗うことができない物に対する消毒方法をご紹介しました。
基本の消毒方法の他に、傷むのが心配な製品の場合は代わりにアルコール系消毒剤を使うなど、用途に応じて使いわけてみてくださいね。
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