嘔吐や下痢などで汚れた衣類やシーツなどはウイルスが大量に含まれているため、大きな感染源となってしまいます。
そのため必ず下洗い(消毒)することが大切。
ノロウイルスの消毒には家庭用の塩素系漂白剤が代用できます。
ハイターで消毒・洗濯しようとしたときに心配なのが「洗濯物が色物だったとき、色落ちしないか?」ということですよね…。
実際はどうなんでしょう?
ハイターを使った消毒液を作り、色落ちの実験をしてみました。
その様子をご紹介するとともに、ハイター以外の消毒方法もご紹介します!
ノロウイルスの洗濯でハイターを使ったら色落ちの程度は?
ハイターは主に漂白に使うものですが、普通の洗濯では色柄ものに使用するときは酸素系の漂白剤を使用します。
しかしノロウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが含まれる塩素系漂白剤しか効果がありません。
なので酸素系漂白剤は使えないんです。
そこでハイターの消毒液を使って、色落ちの実験をしてみました。
消毒液の濃度による色落ちの違いは?
衣服などのつけ置き・便座やドアノブなどの消毒に必要な消毒液の濃度は200ppm(0.02%)です。
作る消毒液の濃度によって、色落ちにどれくらい違いが出るかを調べます。
まず、ペットボトルでハイターを希釈して200ppmの消毒液を作ります。
★参考記事→ペットボトルで簡単にハイターの消毒液を作る方法
作った消毒液へ紫色の布を30分間浸けてみます。
比較のため200ppmより濃い、嘔吐物・糞便の処理のときに使う1000ppm(0.1%)の消毒液にも同じように30分浸けました。
全てを並べてみるとこんな感じ。
左:元の布
中:200ppm(0.02%)に浸けたもの
右:1000ppm(0.1%)に浸けたもの
200ppmに浸けたものは若干色落ちしていますが、濃度の濃い1000ppmは明らかに色落ちしてしまいました。
つけ置き時間による色落ちの違いは?
次に、つけ置き時間による色落ちの違いがあるのかを調べてみました。
1回目は30分と長めに消毒液に浸けました。
しかし本来の衣類の消毒ですすめられているのは「200ppmの消毒液に10分間つけ置き」です。
10分間浸けたものがこちら。
左:元の布
右:200ppmに10分浸けたもの
少しだけ薄くなりました。
30分間浸けたものと比較したものがこちらです。
左:10分浸けたもの
右:30分浸けたもの
全てを並べたものがこちら。
左:元の布
中:200ppmに10分浸けたもの
右:200ppmに30分浸けたもの
浸け置き時間が長いとやはり色落ちが進みますね。
まとめ
ハイターを希釈して消毒しても、若干の色落ちはしてしまいます。
また長時間つけておくと、その分色落ちが進みます。
結論としてハイターで消毒するときは若干の色落ちは納得した上で
- 消毒液の濃度を守る(200ppm 0.02%)
- つけ置き時間を守る(10分)
ということをすれば、衣類の色落ちを最低限に抑えることができます。
ノロウイルスの洗濯で色物の消毒方法は他にある?
規定通りにつけ置き消毒をしても、ハイターを使用した場合は若干色落ちすることが分かりました。
色落ちを避けたい大切な衣類の場合、ハイター以外の消毒方法はあるんでしょうか?
ハイター以外の消毒方法
ノロウイルスの消毒に有効なのは次亜塩素酸ナトリウムでの消毒の他に2つあります。
それが
・熱湯消毒
・スチームアイロンでの消毒
です。
ノロウイルスは85度以上の熱で1分以上加熱すれば感染力を失うとされています。
その加熱処理の方法が上の2つです。
熱湯消毒の場合はお湯の温度が下がるのを防ぐために煮沸消毒という形がベストになりますが、消毒専用の鍋でも持っていない限り、ウイルスのついた衣服類を料理する鍋で煮るというのはちょっと抵抗がありますね…。
その場合はスチームアイロンでの消毒がおすすめです。
嘔吐物などが付着している場合はその箇所をきれいにしてから、スチームアイロンを1カ所につき1分以上あてます。
衣類が厚手の場合は少し長めに。
おわりに
ノロウイルスの消毒にハイターは有効ですが、ハイターに限らず次亜塩素酸ナトリウムが含まれているものは漂白作用があります。
消毒の際は、決められた濃度と時間を守ることが衣類の色落ちを最低限に食い止めるということが分かりました。
また色落ちが心配な衣類の場合はスチームアイロンを活用してくださいね。
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