熱中症とは暑さで体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節がうまくいかなくなって起きる様々な症状のこと。
年間4~5万人の方が熱中症で救急搬送されています。
最近では5月に入って最高気温が35度を超す地域も見られ、夏を迎える前から暑かったりしますよね。
5・6月の体が暑さに慣れていない時期は、体が暑さに慣れておらず、汗をかいて体温を下げる機能がうまく働いていないこともあるので注意が必要です。
しかし熱中症が最も多くなるのは7・8月。
熱中症で大切なのは水分補給だと言われますが、何をどれくらい・どのタイミングで飲めば熱中症予防になるんでしょうか?
今回は熱中症予防になる水分補給についてご紹介します。
熱中症を予防する飲み物でベストなのは?
夏になると麦茶やカルピスや炭酸など、暑いと飲みたくなるものってありますよね。
でもこれらの飲み物をただこまめに飲んでいるだけで、熱中症予防になるんでしょうか?
まず熱中症を防ぐには脱水症を防ぐことが大切になります。脱水症が熱中症の様々な症状を引き起こす引き金になるからです。
でも脱水症ってどんなときに起きるの?
脱水症が起きるとき
脱水症は水と電解質から成る体液が汗で失われ、その補給ができていない場合に起こります。
電解質とは塩分をはじめとする複数のミネラルのこと。ということは水・塩分・ミネラルを摂取することが必要なんですね。
そんな飲み物はというと?
熱中症を防ぐためのベストな飲み物
- 経口補水液(小児用もあります)
- 市販のスポーツドリンク
この2種類が最適となります。
でも経口補水液って、ぶっちゃけそんなに美味しいものじゃないです…。
大人なら我慢して飲めますが、子供は美味しくないと飲んでくれないので、個人的には子供にはスポーツドリンクの方が良いような気がします。
外出先や自販機で簡単に購入できるスポーツドリンクですが、水分や電解質・糖分などがバランスよく含まれており、糖分は疲労回復にも役立つので効果的。
ただし低カロリーをうたっているスポーツドリンクには、飲みすぎるとお腹をゆるくするような成分が含まれているので取り過ぎには注意です。
またキンキンに冷えたものを飲むと美味しく感じますが、胃に負担をかけてしまって養分が吸収されにくくなりますので、10℃くらいの温度のものを飲みましょう。
スポーツドリンクを熱中症対策に更に効果的な飲み物にするには?
スポーツドリンクをそのまま飲むより更に体に吸収されやすくなる取り方があります。
それは薄めること。
そのまま飲むと糖分摂取量が多くなり、糖分が多くなると体に吸収されるのが遅くなってしまうんです。
市販のものであれば2倍に薄めると丁度良くなります。
しかしそうすると塩分も一緒に薄くなってしまいますので、塩をひとつまみ入れると熱中症対策に最適な飲み物となります。
スポーツドリンクだと思って飲むと物足りない味なので、全く別物と思って飲みましょう笑
市販のものを薄めるのも良いですが、家で作るときは粉タイプのもので作るのがおすすめです。大量生産できる上、安いです!
いつも飲まないといけないの?
熱中症予防だからと、これらをいつもいつも飲んでおく必要があるんでしょうか?
朝から晩までこれを飲めというわけではなく、戸外で仕事や運動・遊びなどでたくさん汗をかいたときに経口補水液・スポーツドリンクを飲むのが最適です。
普段の生活で口にするのは水・麦茶で大丈夫です。
水は水分補給の基本ですが、麦茶はカフェインが入っていないので利尿作用が無く、水分が体外へ排出されるのを抑えることができます。
普段は水・麦茶で水分補給、汗をたくさんかいたときは経口補水液・スポーツドリンクを飲むと覚えておくと良いですね。
熱中症を予防するにはどれくらいの量が必要?
最適な飲み物は分かりましたが、どれくらいの量を摂取すれば良いんでしょうか?
推奨されている量は以下のようになります。
- 高齢者を含む、学童〜成人が500~1,000ml/日
- 幼児(1歳〜小学校入学)が300~ 600ml /日
- 乳児(〜1歳)が体重1kg当たり30~50ml/日
これは1日のうちの最低摂取量なので、これを下回らないようにして下さいね。
一度に多量の水分を摂取すると胃に負担がかかり胃痛やだるさの原因になってしまいます。
一度にコップ1杯分くらいの量を目安に、1日に何度もこまめに水分補給をしましょう。
しかし気温や汗をかいた量によって補給しなければならない水分量が変わるので注意が必要です。
理想としては汗をかいて失った水分量をその最中や前後に摂取すること。
ですので戸外で仕事や運動、遊びなどでこれから外出するというときは、外出前→外出先→帰宅後で水分補給することが必要です。
熱中症を予防する水分補給のタイミングとは?
人間は喉の渇きにもともと鈍感なんだそうです。
喉が渇いたなと思ったときにはすでに脱水状態にあるかもしれません。高齢者や子供は特に注意が必要です。
そして水分補給をしたからといってすぐに反映されるわけではなく、体に吸収されるまでに時間がかかります。タイムラグがあるんですね。
そのために喉が渇いたタイミングではなく、喉が渇いていなくても定期的に水分補給することが大切になります。
一番良いのは水分補給のタイミングを決めてしまうこと。
・起床時
・外出前
・外出先で目的地に到着した後
・勤務中
・車の運転中
・運動の前後
・入浴前後
・就寝前
こういった具合に飲む時間を決めておくと分かりやすいです。
また気温が高い日や仕事や運動・遊びなどでたくさん汗をかいたときには、失った水分量の8割程度をその最中に補うのが望ましいとされています。目安として、15~30分おきに水分補給をして休憩しましょう。
おわりに
熱中症予防になる水分補給の仕方をご紹介しました。
熱中症予防になるものとしては、梅昆布茶や味噌汁などもミネラル・塩分が豊富に含まれているので効果的です。
夏は味噌汁率が低くなりますが、定期的に食べたいですね。朝ごはんに食べてから外出すると良いかも。
また日本人は食事から摂取する塩分量が多くなりがちです。塩分摂取に躍起にならなくても食事から十分補えていることがあります。
塩分を摂りすぎると体液が濃くなって余計喉が渇くということになりますので、食事内容も見ながらうまく水分補給をしてくださいね。